よりよい家づくりのシステムは?ハウスインディケーターの役割は?
 
より良い家づくりのしくみは
■各職人、専門家、それぞれの仕事をしっかりやれるしくみが大切です
 

家づくりには、いろんな専門家、職人が係わっています。そして家を建てる人には予算や敷地、家庭事情などいろんな条件があります。
複雑です。
ですから、より良い家を建てるには、条件をしっかり把握、整理し、それに係わる、専門家、職人が、それぞれの仕事をしっかりやれて、連携できる体制が必要です。
建築家が優秀でも、職人の力量がなければよいものはできません。
工事会社が良くても、良い職人がいなければよいものはできません。
すばらしい工事会社があっても、建築家が良くなければよいものはできません。それぞれが代用はできません。

建築士、工事管理者、鳶、大工、板金屋、塗装屋・・数十の職種、その倍以上の職人が係わるのですから、それぞれが、お互いに信頼をして仕事をすることが、いかに大切かわかりますね。
単なる報告書や途中の検査、ましてや完了検査で安心してはいけません。(ないよりあったほうがいいので検査はしっかりやりましょう・・・)

より良い家づくりのしくみには
■専門家、職人の専門性を理解することが大切
 

それぞれの専門性、職分をしっかり全うしてもらうには、まず、家づくりを始める人が、それを理解することが大切です。

家づくりは、まず3つの役割に分かれます。
■施主・・・
資金を作って家を建てて住む人
■設計監理者(建築士) ・・・
施主の代理となって、建物の図面を描き、図面どおりに家が造られるか監督する、施主が、建築専門家であれば不要
■施工業者・・・
施主と契約し、工事をする職人をとりまてめる

ここで大事なのは、利害関係です。ただ、利害関係が相反イコール敵対関係ではありません。むしろ、利害関係が相反するからこそ、契約やチェック、仕事の内容をお互いに理解し信頼関係が必要です。

設計監理者(建築士)は施主の代理ですから、施主の利益は設計監理者の利益となります。
それに対し施工業者は利害は基本的に相反します。契約の範囲で、施主はより上の質を求め、施工業者はその範囲でで、質を落とさずきるだけ利益を上げることが必要です。

職人に工事を頼み、工事を段取りよく進める仕事が、施工業者の「工事管理」です。
そして施主の代理として、工事が図面に基づいてできているかをチェックするのが「監理」という業務です。
工事管理は、工事業者の仕事ですが、監理は 施主または施主の代理の仕事です。監理と管理はまったく違った仕事です。工事業者は監理を基本的にできません。

施工業者は、工事管理にもとづいて、下請け(協力)業者、職人を効率よく配置し仕事をするもので、総合請負(ゼネラル・コントラクター、ゼネコン)といいます。工事を直接するわけではありません。住宅メーカーも同じです。

下請け(協力)業者は、基本的に施工業者、住宅メーカーとは独立していますから、ある施工業者に頼んだときと、ある住宅メーカーに頼んだときと同じ下請け(協力)業者、職人が来ることもあります。(確率は少ないですが)
ですから施工管理の能力によって、工事内容もまったく変わります。
職人は、施工業者から報酬をもらっているので、どんなに良い職人でも、施工業者が悪ければだめです。職人が少々スキルがなくても、うまく生かす管理能力があれば、それなりのものができます。

住宅メーカー
施工業者の下で働く建築士は住宅メーカー、施工会社のために働き報酬をもらいますが、独立した建築士は施主から直接報酬をもらいます。立場はまったく違います。
どちらが良い仕事をするかはわかりませんが、誰のために仕事をしているかはまったく違います。

設計監理は、施主の意図を図面化する設計業務、その図面に基づいて現場をチェックする監理業務に分かれます。
建築家によっては、図面化は得意だが、現場監理は不得意という人も中にはいます。住宅は大きな建物の間の息抜き(趣味)と公言している建築家もいます。スタンスがかなり違います。

しかし、まず大切なのは、住まいの図面化・・・これがうまくいっていないとすべてがうまくいきません。

図面化は、基本的には施主から直接依頼を受けた建築士(建築家)の仕事です。施工業者、住宅メーカーのもとで描く方もいますが、これは、施主の代理にはなりません。
図面化は本来、施主の直接委託であることが大切ですが、大工さんの伝統がある日本では、施工業者、住宅メーカーが性善説として、図面化をしてくれるというのが慣例化しています。しかし、それで良いのでしょうか?
マンションの偽装はこのような慣例の悪い例です。

より良い家づくりのしくみには
■日本の家づくりの現状を理解することが必要です。
 

昭和までは、家づくりは、地域の大工さんがになっていました。限られた地域の建材、素材、地域に伝わる家の造り方にしたがって建てていました。施主も地域の家づくりのことは知り尽くしていました。手抜きなどありえない時代です。
しかし、昭和になってくると、材料の流通、西洋的な住まい方の普及などで、少しずつ大工さんの知識や技では追いつかなくなりました。施主も建物の知識が保てなくなってきました。
この流れに2つの方法で対応してきたのが現状の家づくりのしくみです。

ひとつは再統合化、 もうひとつは、分割専門化

■再統合化・・・
これは再度大工さんの時代のように何から何まで面倒見ようということです。設計施工の建設会社、住宅メーカー、 地域ビルダー
<弱点>・・・
・ 設計者が施主の利益より会社の利益を基本としている
・第3者の工事監理をする人がいない(内部監理は第3者にはなりません)
・会社のシステム以外の施工、材料は、技術的なサポートが外部になり不安定
<強み> ・・・
・ 資金準備から家に入るまで丁寧に対応してくれる。
・プラン標準、オプションなしなら、ある水準のものが廉価でできる

■分割専門化・・・
設計事務所や工務店、職人の専門分野の共同作業
<弱点>・・・
・設計者は技術者でどちらかというと施主への説明を怠ることが多い
・設計者にスキルがない場合、工事業者に頼ることが多い
・専門性の自覚がないものが集まると、質が大幅に低下
・施主にもそれなりに手間が必要(当たり前ですが・・・住宅メーカーと比較すると)
<強み>・・・
・図面化、工事監理(現場のチェック)が施主のために遂行される。
・設計者、工務店、職人の専門性を生かした、さまざまな家づくりが可能。

大事なことですが、アフターケアは大きな会社の方が良いという幻想がありますが、それは間違いです。担当者が変わる大きな会社のほうが不安ともいえるのですから。大小関係なく、まじめにやっている会社はちゃんとしています。

より良い家づくりのしくみには
■日本の家づくりのしくみの欠点を補完する必要がある
  ■再統合化・・・
住宅メーカー、地域ビルダーの問題点は
施主側の代理とならなければならない図面化と工事監理が、利害関係の相反する工事施工者の方に入っていることです。
良心的な会社で、設計も監理も施主の立場になってやってくれればそれでよいのですが、やはり現代では不安が残ります。
ここには、第三者機関の検査とアフターケアの保証が大切でしょう。現在の第三者機関の検査は、日本の住宅シェアの多くを占める「再統合」派の安心材料として作られているといって過言ではないでしょう。
第三者機関の検査をする人が、施工会社から独立した専門家であることがが望まれます。
■分割専門化・・・
の問題点は
分割専門化の中心となる(統合する)建築士が、技術士としてしか育てられていず、サービス業としての役割を果たしていないことです。大切な説明責任を果たせていないことも多いようです。
そして、住宅の分野では専門家といいながら、多くの部分を慣例と工務店の責任に頼ってきたことも問題です。
ここには、プロデューサー、コンサルタントのようなサービス窓口とそれによる内容説明のしくみが必要に成ります 。また設計事務所の更なる専門性の自覚(建築士会等の専門性の対応)や、住宅設計の社会的責任の共有化(近年の法規の改制など)が必要でしょう。
ハウスインディケーター、分割専門化時代のサービス、説明責任、専門性などに総合的に対応できる専門家の一人です。
より良い家づくりのしくみには
■専門性、職分を生かしながら、お互いにチェックできることが本当は大切
 

家づくりのしくみの欠点を補正しよりよいしくみとなるのはよいのですが、忘れてはいけないことがあります。
チエックできるのは、同程度の能力または以上の能力を持つ経験豊かな専門家であるということです。
第三者機関のチェック・・・経験が浅い人がマニュアルでやってもうまくいきません。専門料理店をマニュアルで素人やれると考えるようなものです。
チエック自体は徒労ではありませんが・・・
また、法改制の多くは、大きなシェアを占める再統合派の住宅メーカーなどに向けているようです。分割専門化のほうにはあまり有意義な改正ではないのが残念です。
しかし、この改制をきっかけとし、私達専門家は、よりスキルをあげ、責任を持ち、お互いの専門性を生かしたチェックをできるようにすることが本当に大切なのでしょう。
このような、適切な専門家の配置と仕事の全うの大切さを、家を建てる人にも理解していただきたいですね。
ハウスインディケーターは複雑な糸を解きほぐし、わかりやすい道順をつくり、経験と技術の両輪がかみ合った、適正なな判断を助言できる専門家です。

■より良い住まいづくり相談のために
■連絡先
ハウスインディケーター、 一級建築士
来馬輝順(くるば てるのぶ)
<MAIL>
tktk@iegaku.jp
メールでご連絡いただければ対応します。
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